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成人済みのオンナノコ☆の独り言
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一番最初の話は最終回ですが人類衰退の感想

ちなみに私の感想はネタバレを含めての感想ですのでご理解ください。






わたしちゃんが所属した野薔薇会はお茶会サークルのようですね。
全寮制の女子校に(紙面上では)ありがちなサークルといったところでしょうか。
そりゃ生活も一変するでしょう。野薔薇会は学校内でも決められた人しか所属できない憧れの団体だったのです。
どういう経緯でそれができて、いじめられていた巻き毛が入部できてたのかは謎ですが。まあ第一条件として成績上位者だってのは確かでしょう。
わたしちゃんはお菓子作りが得意ですから野薔薇会ではそれを振る舞っていました。
お陰でついたあだ名が「お菓子ちゃん」。ここで人に自分の作ったものを食べてもらうことによってわたしちゃんはお菓子作りの腕を上げていったのでしょう。
そこでお姉様方は銀髪ちゃん(Y)が以前野薔薇会に所属していたことを教えます。
後にわたしちゃんを囲んでいた女生徒の一人によると野薔薇会は「定員があって紹介なしじゃ入れない」と言ってましたが、Yが辞めた代わりにわたしちゃんを入部させたのだと思います。

わたしちゃんは成績上位者として4級生に進学しました。成績で簡単に学年が上がるなんていい制度ですね。
4級生の教室のそこにはYがいました。また冷たく嫌みを言われますが、わたしちゃんも元々の性格と今まで培ってきた自信でYに言い返すまでになっていました。
私見ですが、ここでわたしちゃんと話しているYがどことなく嬉しそうに見えます。今まで自分と対等に話せる人なんでいなかったのでしょう。
「あんたが麗しいと思っているものはみんな上っ面だけのものだから。あたしならあんなお茶会とても耐えられないね」
このYの台詞は後の出来事に大きく関わっていたのです。

廊下でYが落とした本を拾ったわたしちゃん。タイトルは「天空のトウマの心臓」。
このアニメでこんなはっきりした題名が出て来るということは何らかの意味があります。
わたしちゃんは学校の図書館の紛失リストを調べ始めました。
リストは以下の通り

・ムーサ・パイディケー(紀元2世紀、古代ギリシャのストラトンによる少年愛詩集)
・古代木ギリシャ少年愛詩集(文字の通り)
・サテュリコン(好色の男や美少年の奴隷で登場する古代ローマを書いた小説)
・ヴェニスに死す(一人の美少年の虜になる中年の作家男の話)
・知と愛(美少年と若い男が愛欲を放浪する)
・鐘と火の詩(元ネタ:風と木の詩 少年愛をテーマにした漫画)
・怠記(元ネタ:台記 源頼長の記録で男色を嗜んでいたことも書かれている)
・一把の稲もし死なずば(元ネタ:一粒の麦もし死なずば キリスト教を主軸にしたジットの自己暴露書。同性愛についても書かれている)

まあ言うまでもないでしょう。Yはこの頃からこじらせていたようです。
ちなみに落とした本の元ネタは「トーマの心臓」。有名なBL漫画です。
そんなわけで、Yが図書館から本を持ち出していたこと、趣味が男色、この二つが私ちゃんの徹底的な調べによってバレてしまいました。
淡々とした口調でYを追いつめるわたしちゃんは貫禄すらうかがえる余裕っぷり。
どんどん真性腹黒としての頭角を表してきました。
ちなみにやはりわたしちゃんは最初の部屋の鍵の在処の謎も解いていました。が、面倒になって途中で辞めてしまったそうです。
ソロモンの指輪の知識を問われるのは難しいですよ・・・。さすが優等生わたしちゃん。
Yを追いつめるわたしちゃんと自身の秘密をどんどん暴かれていくYの表情の対比がよく出ています。
BL(わたしちゃんによると「少年同士のいきすぎた友情」)趣味が恥ずかしいことだってのはこの頃のYは自覚していたようです。反応を見るとハマりたてだったうえに同志はいなかったようです。
取引しようとわたしちゃんに持ちかけたYはBL文庫がぎっしり詰まった本をスライドさせました。その裏には隠し扉があったのです。
さすがのこれにはわたしちゃんも驚いたようです。

案内されたところは野薔薇会の方々のお部屋の裏口。本当に杜撰な建築ですね。
乙女趣味がある最初の花先輩のお部屋では彼女の日記に秘密がありました。
「◯月×日 廊下で○○(モザイク処理)と接触。肩ぶつかる。謝罪なし。罪☆(星一つ)」
とこのように日常の些細な出来事の恨みつらみを事細かに記録していたのです。
「あの人、自分に対して加えられた危害ぜえったいに許さない人だから」
Yの言葉は普段の花先輩のイメージをぼろぼろにしてしまうものでした。しかしそれはどうしようもなく真実なのです。

次の魔女先輩の部屋では「こっちもキッツイぞー」というYの警告。
出て来たのは分厚いノート。学校中のお気に入りの女の子の髪の毛のコレクションでした。抜け落ちていたのを回収したり、こっそり切ったりしていたのかと思われます。
髪が長くて綺麗なわたしちゃんはより多くコレクションされていました。表記が、ほうき頭ちゃん→お菓子ちゃんに変わっていたところを見ると1年生の頃から目をつけられていたようです。
ちなみにYのもありました。
魔女先輩の「テイスティング」とは口にくわえて横に滑らせて味わう事だそうで。
ここで既にわたしちゃんのSAN値は0に近いです。

次の部屋の女の子二人の部屋は散らかり放題でした。
隙間から覗くと気崩した制服で気怠そうに会話をする部屋の主が二人。
「あーかったりー。フラワーまじムカつくよなー」「あの声聞くとイラつくよなあ、天然ぶって」
野薔薇会での存在は薄いものの、女子とは思えない声の低さとだらしなさが絶望的なギャップでした。
フラワーって花先輩のことですね。陰口専用のあだ名でしょうか。
一人称が俺だったり、肉食いてーよな!とか言いながらお酒をグビ飲みするあたり女子のかけらもありません。
まあ、以外と女の子ってこんなものかな、と女子校出身の私はわたしちゃんほどの衝撃は受けませんでした。

最後はわたしちゃんと巻き毛の部屋。
まあ順番から考えてオチなんだと思いますが。
部屋を覗くと人形相手にままごとをしている巻き毛。
しかし、その人形を「お姉さん(わたしちゃんのこと)」と呼ぶことから違和感が始まります。
人形に紅茶をぶっかけ→ごめんね・・・と言いながら慈しむように人形を舐める→さっきよりひどい発狂
人形を投げつけてズタボロにする、ティーポットや花瓶を投げつける、とどめに人形にナイフを思い切り突き立てるという、揃いも揃った異常ぶりを発揮していました。
最初の頃わたしちゃんが巻き毛に対して、いじめの主犯なんじゃないかと疑っていましたが、ある意味それよりも恐ろしい本性でした。
「わかっただろ、子供は健全で純粋な存在だなんでことはないんだ」
まっすぐわたしちゃんを見つめながら言うYの台詞は皮肉なほどに納得できるものでした。

野薔薇会のメンバーで、腹黒だが悪意が見えやすい裏表のない性格のわたしちゃんにYは目をつけました。
組 ま な い か ←私にはこう聞こえました。
そのYの誘いでわたしはYと組んで密かに妖精さんのお茶会について調べました。
一人ぼっちと一人ぼっち、似ているところもあったでしょうし馬が合ったんですね。まさに悪友と呼べるものでした。
5級生に進学し、わたしとYは野薔薇会の面子と交流を深めました。
たとえ裏にどんな本性を隠していようとそれが人間。後腐れない付き合いで正解だったと思います。

花先輩と魔女先輩が卒業し、残されたわたしちゃんとYと巻き毛で妖精のお茶会を調べていたところ、ロボットが何台も放置され何年も経った部屋に辿り着きました。
誰がこんなこと?の疑問にわたしちゃんの脳裏によぎるものがありました。
「妖精は・・・いたんです。確かに!」
わたしちゃんは必死の形相でYが止めるのも聞かずに走り出しました。
いたずら好きの少年、自分の足下にすがりついてきた妖精、交流を深めた部屋。全ての始まりでした。
記憶がフラッシュバックでよみがえります。
どうして、忘れていたんだろう。
「妖精なんて俺、見た事ないですけど」
とそう言ったのはあの日妖精を捕まえようとしていた少年の一人。今は猫を優しく抱いています。

学舎の廃校が決まり、わたしちゃん代表する最後の生徒の卒業式を終えたあと、わたしちゃんは野薔薇会のお茶会の会場にいました。
そこに同じく卒業生の巻き毛がやってきて部屋のカーテンを片付け始めます。
「最後の野薔薇会メンバーとしてのけじめです」
人間的に大きく成長し大人になった巻き毛の彼女。もうわたしちゃんに依存することはないでしょう。
そんな彼女の背中を見て、わたしちゃんは巻き毛が外そうとしているカーテンに手をかけます。
「手伝いますよ」
形こそ違えど、その優しさは最初にわたしちゃんが虐められていた巻き毛にスカートを渡したときのそれでした。
その優しさに今までためこんでいた想いが溢れ出し、巻き毛は子供のようにわたしちゃんに抱きついて泣きじゃくりました。
叶わなかった想い、野薔薇会での日々、わたしちゃんをずっと追いかけてきた日々からの卒業でした。
わたしちゃんは、自分にすがって泣く小さな後輩を初めて抱きしめたのです。

さて学舎に残されたのはRyoboロボット。いつもの私ちゃんの部屋の横でエラーを起こしています。
「あなた、うちに来ますか?」
そう投げかけるわたしちゃんの言葉に、もう古くなったロボットは壊れた機械音で答えました。
わたしちゃんが向きを変えてやるとRyoboはいつもと変わらず廊下の奥へ去っていきました。
向きを変える人がいなくなったら、あの場所でぶつかりながら寿命を迎えてしまうのでしょうか。

場面が変わって現在に。
外からは車の音が聞こえてYがわたしちゃんを訪ねてきました。
どうやらYは編集者のような仕事をしているようです。まあ大量のBL本を生み出したくらいですからね。
帰り際にYはわたしちゃんにロボットのことを頼みます。
忘れもしない、Ryoboロボットでした。
このロボットに関してはYよりわたしちゃんの方が愛着があるでしょう。それを見込んでYは頼んだのかと思います。

自室に持って帰ったRyoboはすぐに妖精さんの気をひきました。
妖精さん曰く、このロボットはお亡くなりになっている。直すことはできても、元通りにはならない。とのこと。
つまり、人間と同じようにRyoboの魂は死んでしまったということ。
胸のざわつきを覚えるわたしちゃん。
そのとき、Ryoboの中から緑の妖精が飛び出てきたのです。
そう、学生時代にわたしちゃんが匿い、一番最初に友達になったあの緑の妖精です。

「ともだち?」

緑の妖精のその言葉を聞いた途端、わたしちゃんは顔を覆ってわんわんと泣きました。
友達。緑の妖精は助けてくれたお礼にわたしちゃんに友達という宝物をくれたのです。
わたしちゃんが一番欲しかったもの、わたしちゃんを変えてくれたもの。声を震わせながら一人は嫌だと願うわたしちゃんの願いを妖精さんはずっと側にいて叶えてくれたのです。
それが、1fの奇跡でした。

その夜、わたしちゃんは夢を見ました。
天国のようなところで緑の妖精とわたしちゃんはお茶会をしていました。
「まださびしい?」
そう問いかける妖精さんに、私はしばらく黙ってこう答えました。
「いいえ。頭の中でいつもお茶会が開かれているようなものですから」
そう言うわたしちゃんは一瞬だけ、出会ったときと同じほうき頭の容姿をしています。
そんなわたしちゃんに妖精さんは幸せそうににっこりと笑いました。
一人の妖精と一人の人間。ひとりぼっちだったけど、今はもう寂しくない。
探し求めていた、「妖精のお茶会」がここにはありました。


人類は本日も、絶賛衰退中☆










以上が今回の感想です。
書きたいことを全部書いたら予想以上に長くなりました。

2期やってほしいですね。
あと原作も読みたいです。

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